上野正彦著
「新潟 は生き残れるか 新潟から見た「地域経済論」」
新潟日報事業社 2002年5月9日
1600円
上野正彦日銀新潟支店長は、公務の傍ら、県内くまなく足を運び、話をし、話を聞き、直に深い交流をされてこられた。また、2001 年度には新潟経営大学経営情報学部で「経済政策論」を担当された。大学でも、学生との交流の機会を作ってこられた。
この本は、先生がこれまで直になさってきた公演、講義などをもとにまとめられた「新潟」への客観的なメッセージなんだろう。
日本人の作る組織は、内側からは変えられない。客観的な視点を取り入れるか、何もしないで外圧がかかるのを待つしかない。こ の本は客観的な視点を読者に提供する。新潟人が積極的に客観的視点を取り入れることをすすめる。(大平)
− 目次 −
序 章 世界に目を向けなければ新潟は見えない
一、グローバル化する新潟企業
二、「アメリカ神話」と新潟経済
三、「中国脅威論」を考える
四、二十一世紀はマネーウォーズの世界
第二章 昭和恐慌から我々は何を学ぶべきか
一、ハード・ランディングだった昭和初期の歴史
二、新潟経済の原形もこの時期につくられた
第三章 戦後初めてのデフレ経済と新潟
一、古典的な「貨幣数量説」では説明できない世界
二、デフレ経済の基本原因
第四章 不良債権問題と地域金融
一、地域金融に求められるもの
二、早期是正措置とペイオフ
三、不良債権問題はなぜ続くのか
第五章 財政危機と新潟経済
一、新潟に欠かせない社会資本ストックの整備
二、日本はアルゼンチンになれるか
三、財政赤字の何が悪いのか
第六章 ITブームは一過性か
一、新潟におけるITのインパクト
二、もう一度ITの成長性を考える
三、新しいビジネスモデル
終 章 「新潟経済活性化」五つの視点
一、「日本列島改造論」を再読する
二、外資に学ぶ
三、志ある企業は資本市場を目指せ
四、トヨタ自動車の研究
五、交流人口の増加を目指せ